こんにちは。ウメです。
最近、読書のスピードが速く、よく読書しています。
今日は、芥川賞受賞作品の「コンビニ人間」を読んでみたら、とっても面白かったので、感想を書いてみます。
コンビニ人間とは?どういう話なの?
内容としては、コンビニで働く主人公が、コンビニを通しての人間関係、自分自身を見つめなおしながら、もがき苦しみながらも成長していく話です。
この主人公というのが、小さい頃から周りに「変わっている」と言われ、大学生になってから、コンビニでアルバイトをします。そのまま、36歳になるまで、そこで働く事を選びます。
そこでは、主人公は一人の必要とされている店員であり、社会に貢献しているという自負があった。所が、白羽というさらに変わった男が現れ、その男と関わっていくうちに、世間の「定職に着け」「結婚しろ」というプレッシャーから逃れようとします。
結局、周りの人に「普通」だと思われたい。「削除」されたくないという思いを持ちながら、生き方を変えようとしますが、結果、自分の居場所は「コンビニ」なんだと気か付くのです。
引用 コンビニ人間
この絵も変わっていますよね。
普通ってなんだ?
この本を読んでいくと、なんだか不思議な世界にはまるような、それでいて、なんだか、最後はさわやかな気持ちになるのです。
そして、「普通ってなんだ?自分だって、本当は普通ではないのでは?」という感覚に陥ります。
結婚や、就職、その他、色々なしがらみを私達は受けているのだと、改めて思います。
「定職に就かないといけない」「結婚して子供を産まなければならない」どうしてそのように決められたレッテルがあるのかわかりません。
しかし、そんな風潮がまだある事は確かです。
そして、その中で、主人公はどうしようもなく、翻弄されるのです。
主人公は「世間に排除されたくない」「世間に干渉されたくない」そんな気持ちで、周りに合わせたファッションやしゃべり方を研究します。
そして、恋愛をしたことがない主人公は、好きでもない白羽という男と、奇妙な同居生活を送り、世間の目をごまかします。
そうしていると、「自分はコンビニで必要とされている人間」だと思っていたのに、「周りから変わった人」だと思われていたことに気が付くのです。
ここで主人公の「何が違うのか分からない。どうしたらいいのか教えて。」という言葉が突き刺さりました。
私達は、「自分のやりたい事、幸せになる事」を経験したいはずなのに、なぜが、周りの目を気にして、人と同じような道を歩んでいます。
それが、「正しい」と信じているからです。例えば、友人が「仕事を辞めて、1年間放浪経験をしてみる。」といえば、羨ましいと私は思います。
ですが、周りの反応は「あの人、変わっているよね」というような反応です。
それが、大多数の意見だからです。
ですが、一人一人本当にやりたいことは違って当たり前。結婚観や仕事への取り組み方だってもっと自由でいいのではないでしょうか?
もちろん、人に迷惑をかけたり、悲しませるのはいけません。
大多数の意見が正しいのか?自分の人生を生きる道とは?
もちろん、人に迷惑をかけたり、犯罪行為は間違っています。
そうではなく、「もっと、こうしたい」という意見をいう雰囲気がある社会になればいいのになと思います。
仕事で言うと、「もっと自由な時間で働く」事や「会社以外で働く」という選択肢です。
今は、会社で働くと安定している。フリーランスは不安定という風潮もある。
しかし、会社で働くと、就業時間のしばりがあったり、付き合いという名の仕事がある。
こういう働き方ではなく、もっと多様な働き方があるのではないか。そして、それが認められていくようになっていけばいい。
読んだ後も考える。不思議な一冊
私は、ミニマムな生活を公開したり、ブログを通して自分の意見を記事にしています。
これだって、人からみれば「変わっている」のかもしれない。
そう、自分では「気にしていない事」であっても、人からみれば、「変わっている」のかもしれない。
でも、
やっぱり、自分の好きな事をしたい。そして、例え、意見の食い違いがあっても、それに流されない自分でいたいと思うのです。
とはいっても、私自身も、周りの意見に左右されることが大いにあるんですが。
もっと、「普通ではない」事を楽しむ余裕が出来たら。
問題提起をされているような面白い本でした。
ウメでした。